「業者に頼むと費用がかかるから、庭木くらい自分で伐採したい」——そう決めた方向けに、この記事では受け口・追い口の切り方と、事故を防ぐための段取りを解説します。

✓ この記事は「3m未満・平地・周囲に障害物なし」でやると決めた方向けの手順書です
✓ 木を狙った方向へ倒す「受け口・追い口」の切り方が核になります
✓ 「これはもう無理」と感じたら途中で中止することも安全な判断です

「自分でやるべきか、業者に頼むべきか」がまだ決まっていない場合は、庭木の伐採費用の相場|高くなりすぎた木は自分で切れる?業者の選び方の「30秒セルフチェック」で先に判断してください。この記事は「やる」と決めたあとの手順に絞って解説します。

受け口・追い口とは――木を狙った方向へ安全に倒すための2段階の切り込みのことで、DIY伐採の成否と安全はこの基本手順で決まります。

まず結論:対象は「3m未満・平地・障害物なし」でやると決めた方

  1. ①この記事は、高さ3m未満・平らな場所・周囲に電線や建物などの障害物がない庭木を、自分で伐採すると決めた方向けの手順書です。判断がまだの方は、先に庭木の伐採費用の相場の30秒セルフチェックをご覧ください。
  2. ②DIY伐採の成否は、切り方そのものより「切る前の段取り」で決まります。倒す方向・退避路を決めてから切り始めるのが鉄則です。
  3. ③作業中に「これは無理だ」と感じたら、その時点で中止して業者へ相談するのも、失敗ではなく正しい判断です。

用意する道具と保護具

まず、作業に必要な道具と保護具をそろえます。製品ごとの性能比較はこの記事では行いませんが、最低限そろえたいものは次のとおりです。

  • 手ノコ、またはチェーンソー:木の太さに応じて選びます。
  • ヘルメット:落枝・落下物から頭部を守ります。
  • 保護メガネ・フェイスシールド:木くず・破片から目を守ります。
  • 防護ズボン(すね当て含む):チェーンソー作業では特に重要です。
  • 手袋:滑り止め付きのものを選びます。
保護具は「あれば安心」ではなく、チェーンソーを使う以上は必須と考えてください。特に防護ズボンは、キックバック時の被災を減らすための装備です。
ヘルメットや防護ズボンなど伐採の保護具一式のイメージ
※イメージ(伐採前にそろえる保護具一式)

切る前の段取りがすべて

「準備より先に切り始めてしまった」という失敗談を伺うことが多い工程です。切り始める前に、次の3点を必ず決めておいてください。

  1. 倒す方向を決める:木の重心の傾き・枝ぶり・風向きを見て、安全に倒せる方向を決めます。
  2. 退避路を2本、斜め後ろ45度に確保する:木を切り始めたら、倒れる方向とは逆の斜め後ろへすぐ下がれるよう、2方向の退避路を確保します。
  3. 立木の高さの2倍の範囲に人を入れない:倒す木の高さの2倍を目安に、周囲に人がいないことを確認します。作業前には周囲に一声かけてください。
倒す方向・退避路を決めないまま切り始めるのは、DIY伐採で最も事故につながりやすい手順違反です。面倒に感じても、この段取りは省略しないでください。

受け口・追い口の切り方(本記事の核)

木を狙った方向へ倒すための、基本の2段階の切り込みです。

① 受け口:倒したい方向に切り込む

倒したい方向の幹に、深さは幹の直径のおよそ4分の1以上、角度は30〜45度を目安に、くさび状の切り込みを入れます。この切り込みが、木が倒れる方向を決める基準になります。(出典:厚生労働省「伐木作業・林業における安全対策」関連基準。なお胸高直径70cm以上の大径木では受け口の深さを3分の1以上とする規定がありますが、本記事が対象とする3m未満の庭木では通常このケースにはあたりません)

② 追い口:受け口の反対側から切る

受け口の反対側から、受け口の底よりやや高い位置を水平に切り進めます。追い口を切り進めても、幹を完全には切り離しません。

③「つる」を残す

受け口と追い口の間には、「つる」と呼ばれる薄い部分を残します。つるは、木が倒れる際にちょうつがいの役割を果たし、狙った方向へ安全に倒すための要になります。つるを残さず切り離してしまうと、倒れる方向が予測できなくなり危険です。

受け口 追い口 つる 倒す方向

※模式図(幹を真上から見た断面のイメージ)

上図は基本の位置関係を示す模式図です。実際の木は傾き・枝ぶり・重心が一本ごとに異なるため、角度や位置の微調整が必要になります。作業前には、必ず対象の木を見て段取りを組み立ててください。

こんな切り方は危険(NG例)

  • 追い口を受け口の底より低い位置で切る:段差ができ、想定外の方向に裂けて割れることがあります。
  • つるを切り落としてしまう:ちょうつがいの役割がなくなり、倒れる方向が制御できなくなります。
  • 退避路を真後ろに取る:正しくは斜め後ろ45度の2方向です。真後ろは倒れる反動を受けやすく危険です。
  • バーの先端を木に当てる:キックバックの直接的な原因になります。
  • つるを残さず一気に切り離す:木の重さと勢いを制御できないまま倒れ始め、大変危険です。
受け口と追い口を切り込む位置関係を示す伐採作業のイメージ
※イメージ(受け口・追い口の切り込み作業)

チェーンソーはなぜ危険?キックバックと死亡災害の実態

チェーンソー作業には、「キックバック」という重大な危険があります。バーの先端上部が木や枝に触れると、チェーンソーが使用者側へ跳ね返る現象で、重大なケガにつながります。バーの先端を不用意に木に当てないことが、キックバックを避ける基本です。もし作業中に大きなケガをした場合は、ためらわず119番へ連絡してください。

林業における死亡災害のうち、約6割が伐木等の作業で発生しています。(出典:厚生労働省「伐木作業・林業における安全対策」これは、庭木のDIY伐採であっても油断できない数字です。

個人が自宅の庭木をDIYで伐採する場合、チェーンソーを使っても「特別教育(資格)」の受講義務はありません。一方、仕事(業務)として伐採を行う場合は「チェーンソーによる伐木等特別教育」の修了が必要です。資格が不要でも危険な作業であることに変わりはないため、装備・段取りの徹底は必須と考えてください。

倒した後の作業

木を倒したあとは、枝払い・玉切りの作業に移ります。

  • 枝払い:倒した木の枝を、幹に沿って根元から切り落とします。
  • 玉切り:処分しやすい長さに、幹を輪切りにしていきます。地面に接した状態で切ると、チェーンソーのバーが地面や石に当たりやすいため注意してください。

切り終えた幹や枝の処分方法は伐採した木の処分方法|丸太・幹はどこに出せる?費用と買取の現実で詳しく解説しています。

かかり木になったらどうする?即中止すべきサイン

作業の途中で、次のような状態になったら、その時点で作業を中止してください。

  • かかり木になった:倒そうとした木が、途中で別の木に引っかかって止まってしまった状態です。かかり木は非常に不安定で、いつ落ちてくるか分かりません。絶対に自分で触らず、その場を離れてご連絡ください。
  • 幹の裂け上がりが起きた:想定より早く幹が裂けて、倒れ方が予測できなくなった状態です。
  • 想定と違う方向へ傾き始めた:退避路の方向へすぐ下がってください。
  • 疲労を感じてきた:集中力が落ちた状態での作業は、判断ミスにつながります。
実際に、追い口まで切り進めたところで木が想定と違う方向へ傾き始め、退避路へ下がって事なきを得た、というご相談があります。以降は段取りを徹底してから作業するようになった、というお話でした(複数のご相談内容をもとに構成した一例です)。かかり木になった場合は触らず、そのままご連絡ください。中止は失敗ではなく、正しい判断です。

ここまでで不安が残るなら、その木は業者向きです。無理をして続けるより、この時点で相談いただくほうが、結果的に安全で早く片づきます。

途中まで進めた状態からのご相談も承っています

「かかり木になって動かせない」「倒すところまでは自分でやったが、この先は不安」という段階でも大丈夫です。ご相談・お見積りは無料です。

LINEで相談する電話で相談 080-5446-4889

伐採作業を中止し業者に相談する判断をするイメージ
※イメージ(無理をせず相談するタイミング)

よくある質問(FAQ)

チェーンソーがなくても切れますか?
手ノコでも切れますが、幹が太くなるほど時間と体力がかかります。手ノコで無理なく切れる太さかどうかを、事前に確認しておくことをおすすめします。
DIY伐採に資格は必要ですか?
個人が自宅の庭木をDIYで伐採する場合、チェーンソーを使っても特別教育(資格)の受講義務はありません。仕事として伐採を行う場合は「チェーンソーによる伐木等特別教育」の修了が必要です。資格が不要でも危険な作業であることに変わりはないため、安全確保は必須です。
倒す方向を間違えたらどうなりますか?
建物・電線・隣家などに被害が及ぶ可能性があります。倒す方向は受け口の角度でほぼ決まるため、切り始める前の方向決めが最も重要です。
かかり木になってしまいました。どうすればいいですか?
絶対にご自身では触らず、その場を離れてご連絡ください。かかり木は非常に不安定で、無理に動かそうとすると重大な事故につながります。
1人で作業してもいいですか?
おすすめしません。万一の際に助けを呼べる人がそばにいる状態で作業することを強くおすすめします。
雨の日や風の強い日でも作業できますか?
おすすめしません。足元が滑りやすくなるほか、風で倒す方向がずれるリスクが高まります。天候が落ち着いた日に作業してください。
切り株はどう処理すればいいですか?
切り株を抜く・枯らす・そのまま残すといった選択肢があります。詳しくは邪魔な切り株、放置は危険?抜根の費用相場と抜く・枯らす・隠すの選び方で解説しています。
伐採した木の片づけはどうすればいいですか?
枝払い・玉切りをしたあと、太さ・長さに応じて自治体回収・持ち込み・業者依頼などに振り分けます。詳しくは伐採した木の処分方法で解説しています。
庭が狭くて倒す場所がありません。
倒すスペースが確保できない場合は、DIYでの伐採は避けてください。周囲に倒す場所がない木は特殊伐採とは?重機が入らない高木・大木の切り方と費用の考え方で解説している業者領域の作業になります。
作業中、家族やペットはどこにいれば安全ですか?
倒す木の高さの2倍を目安に、作業範囲から離れた屋内や別の場所で待機してもらうのが安全です。作業前に必ず声をかけ、範囲内に人やペットがいないことを確認してから切り始めてください。
受け口の位置や角度を間違えたら、切り直せますか?
ある程度であれば切り直しで調整できる場合もありますが、大きく間違えると木の強度が落ち、倒れ方が予測できなくなる危険が高まります。少しでも不安を感じたら、その時点で作業を中止し、業者にご相談ください。
作業にはどのくらい時間がかかりますか?
木の状態や経験によって差がありますが、3m未満・障害物のない木であれば、受け口・追い口の作業自体は数十分程度で終わることもあります。ただし、準備や後片付けまで含めると半日仕事になることも珍しくありません。

まとめ:段取りと「中止する勇気」がDIY伐採の安全を決める

ここまでの安全手順を一つずつ守れば、DIY伐採のリスクは大きく減らせます。

  • この記事は「3m未満・平地・障害物なし」でやると決めた方向けの手順書です。判断に迷う場合は庭木の伐採費用の相場の30秒セルフチェックへ。
  • 切り方より先に、倒す方向・退避路・立入禁止範囲の3点を決めておくことが最重要です。
  • 受け口・追い口・つるの位置関係が、安全に倒すための基本です。
  • かかり木・裂け上がり・想定外の傾き・疲労を感じたら、その時点で中止して業者へ相談してください。中止は失敗ではありません。

運営:生活サポート24(庭木の伐採・処分など庭まわり全般に対応)

段取りを省いたまま作業を進めると、かかり木や想定外の倒れ方につながりやすくなります。「途中まで自分でやってみたが、この先は無理だと感じた」という段階でのご相談は珍しくありません。こんな方にご相談いただいています。
  • ✓ 途中まで切ったが、かかり木になって動かせない
  • ✓ 倒すところまでは自分でやったが、片づけが大変
  • ✓ 準備をしたが、当日になって不安になった
  • ✓ 想定より木が大きく、自分の道具では手に負えない

無理だと感じたら、その時点でご相談ください

✓ 写真なしでも相談OK / ✓ 途中までの状態からでもOK / ✓ 確定した総額から追加なし

「ここまでやったが、この先は無理そう」という段階でも大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。

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