
ホーム > 空き家管理ガイド > 相続した実家が空き家に。最初にやること10選
「親が亡くなり、実家を相続した。誰も住む予定がなく、このまま空き家になる」「何から手をつければいいのか、正直分からない」――葬儀や法要が一段落したあと、多くの方がこの問いの前で立ち止まります。
結論から言うと、やるべきことは「期限のある手続き」「保険・ライフラインの整理」「管理体制づくり」の3つに整理できます。この記事では、最初にやることを10のチェックリストにまとめ、それぞれの段取りを解説します。
まず結論:やることは3つに分けると迷わない
- ①期限のある手続きから:相続登記(=不動産の名義を故人から相続人へ変更する登記)は2024年4月から義務化され、取得を知った日から3年以内の申請が必要です。ここだけは後回しにできません。
- ②保険とライフラインの整理:火災保険の名義・空き家の扱い、電気・ガス・水道の契約をどうするかを決めます。
- ③「放置しない管理体制」を作る:住む・貸す・売る・維持のどれを選ぶとしても、家が荒れてしまえば選択肢そのものが狭まります。管理体制づくりが全ての土台です。
いま、どの段階ですか?状況別の優先順位
| 状況 | まず優先すること |
|---|---|
| 相続したばかり(数ヶ月以内) | 下の10項目を上から順に。特に登記・保険・ライフライン |
| 相続して1年以上・手つかず | 登記の状況確認と、家の現状確認(草木・郵便物・雨漏り) |
| 近隣から草木や建物について連絡が来た | まず現状の解消(草刈り・片付け)。対応を先延ばしにしない |
| 売却・賃貸を検討中 | 専門家への相談と並行して、内見に耐える状態への手入れ |
総務省の住宅・土地統計調査(令和5年)では、全国の空き家は900万戸・住宅全体の13.8%と過去最多になりました。(出典:総務省統計局「住宅・土地統計調査」)相続をきっかけに空き家を持つことは、いまや特別なことではありません。だからこそ、初動の段取りを知っているかどうかで、その後の負担が大きく変わります。

最初にやること10のチェックリスト
☐ 相続した実家、最初の10項目
- ①現地の状態を確認する(雨漏り・草木・郵便物・傷み)
- ②郵便物を止める・転送する(郵便局の転居・転送サービス等)
- ③電気・ガス・水道の契約をどうするか決める
- ④火災保険の契約者名義と「空き家の扱い」を保険会社に確認する
- ⑤相続登記を申請する(3年以内・義務)
- ⑥固定資産税の納税通知の宛先を確認する
- ⑦鍵・貴重品・重要書類の所在を整理する
- ⑧近隣に挨拶し、連絡先を伝えておく
- ⑨管理方針を決める(住む・貸す・売る・維持)
- ⑩「放置しない管理体制」を作る(自分で通う/業者に頼む)
すべてを一度にやる必要はありません。以下、特につまずきやすい項目を順に解説します。
期限に注意:相続登記は「3年以内」が義務になった
2024年4月1日から相続登記の申請が義務化され、相続で不動産の取得を知った日から3年以内に登記を申請する必要があります。正当な理由なく怠った場合、10万円以下の過料の対象になることがあります。2024年4月より前に相続した不動産も対象で、この場合は施行日から3年以内(2027年3月31日まで)が期限とされています。(出典:法務省「相続登記の申請義務化について」/根拠条文:不動産登記法(e-Gov法令検索)第76条の2・第164条)
遺産分割の話し合いがすぐにまとまらない場合には、「相続人申告登記」(=自分が相続人であることを法務局に申し出るだけの簡易な手続き。持分までは登記しないが、これで登記の申請義務を果たしたものとして扱われる)という方法も設けられています。手続きの詳細は法務局・司法書士に確認してください。
火災保険とライフラインはどうする?
火災保険:名義と「空き家の扱い」を必ず確認
親名義の火災保険をそのままにしていると、いざという時に手続きが滞ることがあります。また、誰も住まなくなった建物は契約上の扱いが変わる場合があり、住宅として契約した保険が空き家では対象外・条件変更になることもあります。相続したら早めに保険会社へ連絡し、名義変更と空き家の扱いを確認しておくと安心です。
電気・水道:完全に止めるかは管理方法とセットで決める
費用だけを考えるとすべて解約したくなりますが、換気・通水・掃除などの管理には水道が、冬の凍結防止ヒーター等には電気が必要になる場合があります。「どう管理するか」を決めてから、残す契約を決めるのが実務的な順番です。冬の水道管の扱いは空き家の水道管、凍結で破裂する前に|水抜きのやり方・放置リスク・費用を解説で詳しく解説しています。

近隣への挨拶はしたほうがいい?(文例つき)
空き家になった後、近隣との関係は想像以上に大切です。草木の越境や落雪・飛散など、異変に最初に気づくのはご近所だからです。挨拶をして連絡先を伝えておくだけで、「何かあったら知らせてもらえる」体制ができます。
挨拶の一例(対面・手紙どちらでも)
「このたび父(母)が亡くなり、当面この家は空き家になります。定期的に手入れには参りますが、お気づきの点がありましたら、お手数ですがご連絡いただけますと幸いです。(氏名・電話番号)」
当社への管理のご相談でも、「近隣から連絡をもらって初めて草木の状態に気づいた」というお話は少なくありません。連絡をもらえる関係があるかどうかが、対応の早さを大きく左右します。
管理方針を決める:住む・貸す・売る・維持のどれでも「管理が先」
相続した家の行き先は大きく4つ(住む・貸す・売る・維持)ですが、すぐに決められないのが普通です。大事なのは、方針が決まるまでの間も家は傷み続けるという事実です。
- 売る場合も貸す場合も、荒れた家は内見の第一印象と査定に響きます。
- 維持する場合は、カビ・害虫・草木・凍結など季節ごとの管理が必要になります。
- 放置すると、管理状態によっては「特定空き家」(=そのまま放置すると倒壊のおそれがある、衛生上有害になるなどの理由で市区町村から指定される空き家。勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れる)等に指定され、税負担が増えることもあります。税への影響は空き家の屋根から雪が落ちたら誰が責任?所有者の賠償責任と今すぐできる対策の「特定空き家と固定資産税」の解説が参考になります。
当社にご相談いただく方も、「兄弟で話し合いが続いていて方針が決まらない」「売却は考えているが、まず人に見せられる状態にしたい」といった、方針が決まりきらないうちの段階で連絡をくださる方が多くいらっしゃいます。決まっていないから相談できない、ということはありません。
つまり、どの選択肢を選ぶとしても「まず管理を整える」ことがスタートラインです。不動産の売買・活用そのものは不動産会社や専門家の領域ですが、その手前の「相談できる状態に家を整える」部分は、当社のような管理作業の業者に頼めます。
やってはいけないこと(NG行動)
- 「誰も住まないから」と保険を確認せず放置する:空き家の扱いを確認しないままでは、万が一のときに補償されない可能性があります。
- 郵便物をためたままにする:留守が一目で分かる状態は、防犯上のリスクになります。
- 方針が決まらないからと登記も管理も先送りする:登記には期限があり、家の傷みは待ってくれません。「決められないこと」と「今できること」を分けて進めるのが安全です。
それぞれ、放置するとどうなるかを整理すると次のとおりです。
| 放置したもの | 起こりやすいこと |
|---|---|
| 相続登記 | 過料の対象になる可能性、売却・解体の手続きが進められない |
| 火災保険の確認 | 万が一のときに補償されない可能性 |
| 郵便物・チラシ | 「留守」のサインとなり空き巣に狙われやすくなる |
| 庭の草木・家の手入れ | 近隣トラブル、管理状態によっては「特定空き家」等の指定 |
実際に、方針を決めかねたまま2年ほど放置し、久しぶりに訪れると庭が腰の高さまで茂り、近隣への挨拶もしづらくなってしまったという例も見られます。草刈りと片付けをまとめて業者に依頼して現状を解消し、そこから改めて売却の相談を始められた、というケースが典型的です(複数のご相談内容をもとに構成した一例です)。
📷 実家の現状確認・手入れのご相談も承っています
何から手をつければいいか分からない段階でも、状況をお伺いしながらご案内します。ご相談・お見積りに費用はかかりません。
遠方に住んでいて通えない場合は?
月1回程度通えるなら、換気・郵便物の確認など自分での管理も現実的です。それが難しい場合は、業者に任せる体制を作ります。当社への空き家のご相談も、「遠方でなかなか見に行けない」「親が施設に入り、家だけが残った」という状況の方が中心です。
国土交通省の空き家所有者実態調査では、空き家所有者のおよそ4人に1人が車・電車で1時間を超える遠隔地に住んでいると報告されています。(出典:国土交通省「空き家所有者実態調査」)通えない場合の管理は、次の2つの形が現実的です。
- 定期巡回(月額契約):毎月の見回り・換気・報告を任せる形。
- 季節の節目のスポット依頼:草刈り・水抜き・点検など、必要な作業だけを年数回頼む形。
遠方で現地を見に行けない場合でも、LINEで状況をお伝えいただくところから始められます。手元に写真がなくても大丈夫です。前後の様子は作業前後の写真でご報告します(LINEで相談する)。
どちらが向いているかの判断基準は空き家管理代行は月額契約とスポットどっちが得?料金・違い・選び方を徹底比較で詳しく比較しています。冬を迎える前の準備は空き家の冬支度チェックリスト|遠方でも今すぐできる凍結・防犯・火災対策にまとめています。

よくある質問(FAQ)
- 相続登記をしないとどうなりますか?
- 正当な理由なく3年以内に申請しない場合、10万円以下の過料の対象になることがあります。また、登記をしないままでは売却・解体などの手続きが進められず、時間が経つほど相続人が増えて話し合いが難しくなる傾向があります。個別の手続きは司法書士・法務局にご相談ください。
- 誰も住まない実家の電気・水道は止めるべきですか?
- 管理の方法とセットで決めるのが実務的です。換気・通水・掃除には水道が、凍結防止ヒーター等には電気が必要になる場合があります。完全に止める場合も、冬前の水抜きなど別途必要な対応があります。
- 火災保険は親の契約のままで大丈夫ですか?
- そのままにせず、早めに保険会社へ連絡することをおすすめします。名義の手続きに加えて、誰も住まなくなった建物は契約上の扱いが変わる場合があるため、空き家の扱いをあわせて確認しておくと安心です。
- 家の中の家具や遺品はどうすればいいですか?
- 鍵や権利証・通帳などの重要書類は、最初に所在を確認しておきましょう。そのうえで、すぐに全て片付ける必要はありませんが、湿気がこもる家では衣類・布団・書類は傷みやすくなります。手放すものが決まってきた段階で、まとめて処分を検討するのが現実的です。処分の方法は庭の不用品回収|自治体と業者どっちが得?費用相場・処分方法を解説も参考にしてください。
- 売るか貸すか迷っています。決まるまで何もしなくていいですか?
- 方針が未定でも、登記・保険・最低限の管理は先に進めることをおすすめします。家が荒れると売却・賃貸どちらの場合も条件が悪くなりやすく、選択肢そのものが狭まっていきます。
- 近隣への挨拶は必ず必要ですか?
- 義務ではありませんが、行っておく価値は大きいです。草木の越境や建物の異変に最初に気づくのは近隣であることが多く、連絡先を伝えておくことで問題の早期発見につながります。
- 兄弟で相続しました。管理は誰がやるべきですか?
- 法律上の整理は専門家の領域ですが、実務上は「窓口を1人決める」ことをおすすめします。管理や近隣対応の連絡先が曖昧なままだと、対応が遅れやすくなります。
- 共有名義で相続しましたが、兄弟の意見がまとまりません。管理はどうすればいいですか?
- 「話し合いが必要なこと(売る・貸す・解体する)」と「今すぐできること(草刈り・郵便物・保険の確認)」を分けて考えるのが現実的です。方針が決まらない間も家は傷み続けるため、現状維持のための作業だけ先に進めておくと、後の選択肢が狭まりません。実務上は連絡窓口を1人決め、費用の負担割合を事前に確認しておくとトラブルになりにくくなります。共有物の変更・処分についての法律上の整理は、司法書士・弁護士にご相談ください。
- 相続放棄をすれば、空き家を管理しなくてよくなりますか?
- 必ずしもそうとは限りません。2023年4月1日に施行された改正民法では、相続放棄をした人でも放棄した時点でその財産を「現に占有していた」場合は、相続人や相続財産清算人へ引き渡すまでの間、自分の財産と同じ注意をもって保存する義務があるとされています(民法第940条)。占有にあたるかどうかは、鍵を持っている・自分の荷物を置いているといった事情から個別に判断されます。相続放棄の可否や義務の範囲は、司法書士・弁護士にご確認ください。
- 固定資産税は誰が払うのですか?
- 相続した不動産の固定資産税は、原則として相続人が負担します。納税通知書の宛先確認も含め、詳細は市区町村の窓口や税理士にご確認ください。
- 庭が荒れ放題です。何から頼めばいいですか?
- まず草刈りと片付けで現状を解消するのが第一歩です。遠方からの依頼方法・費用は遠方の実家・空き家の草刈り、どうすればいい?選択肢・手順・費用まとめで詳しく解説しています。
まとめ:決められないことと、今できることを分ける
- 相続した実家の初動は、「期限のある手続き」「保険・ライフライン」「管理体制」の3つに分けると迷いません。
- 相続登記は3年以内が義務。方針が未定でも、登記と保険の確認は先に進めます。
- 住む・貸す・売る・維持のどれを選ぶにしても、家を荒らさないことが全ての選択肢のスタートラインです。
- 通えない場合は、月額の定期巡回か、季節の節目のスポット依頼で「放置しない体制」を作れます。
運営:生活サポート24(空き家の草刈り・片付け・水抜き・点検など、相続後の管理作業にスポット単位で対応)
- ✓ 実家を相続したが、住む予定がない
- ✓ 遠方に住んでいて、なかなか見に行けない
- ✓ まず庭と家まわりだけでも整えたい
- ✓ 売却・賃貸の前に、見られる状態にしたい
📷 相続した実家の手入れ、まずはご相談ください
写真があると状況の確認がスムーズですが、なくても大丈夫です。当社は✓立会い不要✓総額提示✓追加請求なし✓作業前後を写真報告。まずはお気軽にご相談ください。

