ホーム空き家管理ガイド > 空き家の水道管、凍結で破裂する前に

「実家を空き家にしてから、初めて冬を迎える」「水抜き栓なんて触ったことがない」――誰も住んでいない家は、蛇口を少し出しっぱなしにするような普段の凍結対策ができません。気づかないまま冷え込むと、水道管が凍結して破裂し、次に訪れたときには床や天井まで水浸しになっていた、ということも起こり得ます。誰も見ていない間に被害が広がる点が、人が住んでいる家と大きく違うところです。

結論から言うと、対策は「水抜き栓を閉めて、配管の中の水を空にしておく」ことに尽きます。この記事では、水抜き栓の使い方の手順、自分でできるか業者に頼むべきかの判断基準、放置した場合のリスクと費用の目安までまとめます。

まず結論:空き家の凍結対策は「水抜き」がほぼ唯一の現実解

  • 人が住んでいれば「蛇口を少し出しっぱなしにする」「暖房で室温を保つ」といった対策が取れますが、誰も住んでいない空き家ではどちらもできません。現実的な対策は、配管の中の水そのものを空にする「水抜き」がほぼ唯一の方法です。
  • 水抜き栓の操作自体は難しくありませんが、栓の場所が分からない・何ヶ月も現地に行けない・古い設備で操作に不安がある場合は、無理をせず業者に頼んだほうが確実です。
  • 凍結・破裂に気づかないまま放置すると、水漏れで床や天井まで傷む被害に発展することがあります。火災保険の特約の有無によって補償範囲が変わるため、あわせて確認しておくと安心です。

空き家の水道管は、なぜ「気づいたら凍結」しやすいのか

人が住んでいる家であれば、冷え込みが強い日でも「蛇口を少しだけ開けて水を流し続ける」「室内の暖房で気温を保つ」といった対策で凍結を防げます。実際、多くの家庭向け情報でもこの2つが凍結対策の基本として案内されています。

ところが空き家では、この2つの前提が崩れます。

  • 蛇口を出しっぱなしにできない:誰も見ていないため、水を流し続けること自体が管理上できません(水道料金もかかり続けます)。
  • 暖房で室温を保てない:電気・ガスを止めていることが多く、そもそも室温を保つ手段がありません。
  • 異変に気づく人がいない:凍結・破裂が起きても発見が遅れ、被害が広がってから気づくケースが多くなります。

この3つが重なるため、空き家の凍結対策は「日々の小さな対策」ではなく、配管内の水そのものを抜いてしまう「水抜き」が中心になります。

凍結の目安は何度から?放っておくとどうなる

全国の水道局が案内する目安では、気温がおよそ氷点下4℃を下回ると凍結のリスクが一気に高まり、風が強い日はマイナス1〜2℃程度でも起こり得るとされています。冷え込みが強い時期は、日中の最低気温だけでなく、風の強さもあわせて意識しておくと安心です。

状況凍結リスクの目安
風が弱い・建物内側の配管氷点下4℃前後から要注意
風が強い・屋外に露出した配管マイナス1〜2℃程度でも起こり得る

出典:上越市ガス水道局八戸圏域水道企業団など、各地の水道局が案内する冬季の水道管凍結情報をもとに一般的な目安として整理(気温・風の条件は地域や設置環境により異なります)

配管の中の水が凍ると体積が膨張し、継ぎ目や配管そのものが割れて破裂します。人が住んでいれば水音や水濡れですぐ気づけますが、空き家では次に誰かが訪れるまで発見が遅れるのが大きな違いです。数週間〜数ヶ月気づかないまま水が流れ続ければ、床・天井・壁を広範囲に傷める被害につながることもあります。実際に、11月に水抜きをせず年明けに様子を見に行ったところ、洗面所の配管が破裂して床下まで水が回っており、業者に依頼して漏水箇所の修理と床材の張り替えまで対応してもらったというケースも見られます(複数のご相談内容をもとに構成した一例です)。

✅ 30秒セルフチェック:自分で水抜きする?業者に頼む?

次のうち、当てはまる項目はありますか。

  • 水抜き栓がどこにあるか分からない
  • この先しばらく(数ヶ月単位で)現地に行く予定がない
  • 過去に凍結・水漏れを経験したことがある
  • 建物が古く、配管の状態に不安がある
  • 水抜き栓が電動式か手動式かも分からない

▶ 1つでも当てはまる → 無理に自分で判断せず、一度業者に相談したほうが確実です

▶ 1つも当てはまらず、栓の場所・操作方法が分かっている → 次の手順で自分でも対応できます

📷 水抜き・凍結防止のご相談も承っています

ご自身での対応に不安がある場合は、状況をお伺いしながらご案内します。ご相談・お見積りに費用はかかりません。

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水抜き栓の使い方|基本の5ステップ

一般的な手動式の水抜き栓(不凍栓)は、次の手順で操作します。栓は「全開」か「全閉」のどちらかで使うもので、中途半端に閉めると水が漏れ続け、水道料金がかかる状態になるため注意してください。

  1. 水抜き栓の場所を確認する:屋外の地面や床下点検口の近くにあることが多く、建物によって位置が異なります。
  2. 水抜き栓を閉める:閉めると給水が止まり、栓より先(家の中側)の水は地中の配管側へ流れていきます。
  3. 屋内の蛇口をすべて開ける:閉めたあと10分ほどそのままにし、配管内に残った水を蛇口から抜き切ります。
  4. 開けた蛇口をすべて閉める:水が抜けたのを確認したら、蛇口を閉め忘れないようにします。
  5. 再び水を使うときは、蛇口を全部閉めてから水抜き栓を開ける:この順番を逆にすると、蛇口から水が噴き出すことがあります。
給湯器・トイレのタンク・洗濯機の給水部分など、水抜き栓とは別に水が残る箇所がある設備も少なくありません。設備の取扱説明書や、設置した業者の案内もあわせて確認しておくと安心です。また、水抜き栓の位置・操作方法は建物や水道局によって案内が異なる場合があるため、地域の水道局のページもあわせて確認しておくとより確実です。
水抜き栓を操作するイメージ
※イメージ(水抜き栓の操作の様子)

こんな場合は、自分での水抜きが難しいケース

手順自体はシンプルですが、次のような状況では自分で対応するのが難しく、無理をすると凍結を見逃したり、栓の閉め方が中途半端で水道料金がかさんだりすることがあります。

  • 遠方に住んでいて、冬の間に現地へ行く予定がない
  • 水抜き栓の場所や、電動式か手動式かが分からない
  • 建物が古く、配管や栓自体の状態に不安がある
  • すでに一度、凍結や水漏れを経験している
  • 給湯器やトイレなど、水抜き栓以外の箇所も含めて確認してほしい

実際、国土交通省の「空き家所有者実態調査」では、空き家の所有者のおよそ4人に1人が、車や電車で1時間を超える遠隔地に住んでいると報告されています。(出典:国土交通省「令和元年空き家所有者実態調査」)こうした距離的な事情から、冬の間に一度も現地へ行けないまま凍結の時期を迎える所有者は少なくないと考えられます。無理に自己判断で済ませず、状況に応じて業者に依頼するのも一つの選択です。

凍結・破裂したときの被害と、火災保険の考え方

凍結で破裂した配管をイメージした図
※イメージ(凍結で破裂した配管のイメージ)

水抜きをしないまま凍結・破裂が起きると、配管の修理費用に加えて、漏れた水による床・天井・壁の水濡れ被害が発生することがあります。空き家は発見が遅れやすいため、被害が広がってから気づくケースも考えられます。

火災保険に「水道管凍結による修理費用」の特約が付いているかどうかで、補償の有無・上限額は契約ごとに大きく異なります。特約が付いていない契約では対象外となる場合もあるため、加入している保険の証券・契約内容で確認しておくと安心です。水濡れによる床・天井などの損害は、火災保険の「水濡れ損害」の補償対象になることがあります(保険会社・契約プランにより異なります)。

「特約があるかどうか分からない」という場合も、まずは保険証券や契約のしおりを確認するところから始めれば十分です。

水抜き代行を頼んだ場合の費用の目安

費用は、次のような要因で変わります。

  • 水抜き栓の場所がすぐ分かるか、探す手間がかかるか
  • 給湯器・トイレなど、あわせて確認する設備の数
  • 建物までの出張距離

便利屋・生活支援サービス全般は、作業時間に応じて料金を積み上げる時間制が一般的です。水抜き作業そのものは、栓の場所さえ分かっていれば数十分〜1時間程度で終わる軽作業であることが多く、これに出張費が加わります。

内容目安の時間費用の考え方
水抜き栓の操作のみ数十分程度作業費(時間制)+出張費
給湯器・その他設備もあわせて確認1時間前後作業内容に応じて加算
当社にご依頼の場合状況により変動正式なお見積りで総額を事前提示

建物の設備構成やアクセスのしやすさによって内容が変わるため、正式な金額は現地の状況確認後にご案内します。当社では、作業前に内容と総額をお伝えし、お見積り後の追加請求はしません。「水抜きだけ単発で頼めますか」というご相談にも対応しています。

いつやればいい?水抜きのタイミング

水抜きは、初雪や急な冷え込みが来てからでは間に合わないことがあります。天気予報で「氷点下」の文字を見てから慌てるのではなく、冷え込みが本格化する前に済ませておくのが安全です。

11月中
→ 本格的な冷え込みの前に、最初の水抜きを済ませておくと安心
年末年始・帰省のタイミング
→ 現地に行く機会があれば、あわせて栓の状態を確認
厳冬期(1〜2月)に現地へ行けない予定がある場合
→ 事前に業者へ依頼し、冷え込みが強まる前に済ませておく

※時期の目安は一般的な傾向であり、地域や気候によって前後します。

水抜き以外にも気にしておきたいこと(空き家の冬支度)

冬の空き家で気になるのは、水道だけではありません。屋根からの落雪、郵便受けのたまり具合、雨戸や窓の破損など、確認しておきたい点はいくつもあります。

冬の空き家を点検するイメージ
※イメージ(冬の空き家を点検する様子)

よくある質問(FAQ)

水抜き栓の場所が分かりません。どこを探せばいいですか?
屋外の地面近くや床下の点検口付近に設置されていることが多いですが、建物によって位置は異なります。建築時の図面や、水道工事を行った業者の記録が残っていれば確認できます。見当たらない場合は、無理に探し続けず業者に相談するのも一つの方法です。
水抜き栓が電動式か手動式か、見分け方はありますか?
電動式は配線やスイッチ、リモコンが付いていることが多く、手動式はハンドルやレバーで直接操作するタイプです。見た目だけで判断がつかない場合は、無理に触らず業者に確認してもらうほうが安全です。
凍結防止ヒーターを巻いておけば、水抜きはしなくていいですか?
凍結防止ヒーターは電源が入っている前提の対策です。空き家では電気を止めていることも多く、停電や電源トラブルがあると効果が失われます。誰も見ていない空き家では、電源に依存しない水抜きのほうが確実性が高いと考えられます。
給湯器やトイレのタンクの水も抜く必要がありますか?
水抜き栓の操作だけでは対応できない箇所があります。給湯器には専用の水抜き手順が設けられていることが多く、トイレのタンクや洗濯機の給水部分も個別の確認が必要です。設備の取扱説明書を確認するか、業者にまとめて依頼すると抜け漏れを防げます。
賃貸に貸している空き家の場合、水抜きは誰の責任ですか?
入居者がいる間は入居者側で日常の管理を行うのが一般的ですが、空室期間中の水抜きは所有者側で対応が必要になるケースが多くなります。契約内容によって扱いが異なるため、管理会社や契約書の内容を確認しておくと安心です。
すでに凍結してしまったかもしれません。どう確認すればいいですか?
蛇口をひねっても水が出ない、配管の一部が変色・膨らんでいるといった状態は凍結のサインです。無理に温めようとしたり叩いたりすると破裂を早める場合があるため、自己判断で対処せず、水道業者や便利屋に相談することをおすすめします。
水抜きを忘れて凍結・破裂した場合、火災保険は必ず使えますか?
必ず使えるとは限りません。「水道管凍結による修理費用」の特約が契約に含まれているかどうかで補償の有無が変わります。特約がない契約では対象外となることがあるため、事前に保険証券で確認しておくと安心です。
マンション(区分所有)の空き住戸でも同じ対策が必要ですか?
専有部分の給水管は基本的に同じ考え方が当てはまりますが、共用部分の配管や管理組合のルールが関わることもあります。マンションの場合は、管理規約や管理組合への確認もあわせて行うと安心です。
水抜き代行だけを単発でお願いすることはできますか?
はい、水抜きだけの単発のご依頼にも対応しています。他の作業とまとめて依頼する必要はありません。
植木鉢や庭木への水やりは、水抜き後どうすればいいですか?
水抜き栓を閉めると屋内外の水道が使えなくなるため、庭木や植木鉢への水やりも合わせてできなくなります。冬場で植物の水やり頻度が下がる時期であれば大きな支障は出にくいですが、気になる場合は水抜きの前にまとめて水やりを済ませておくと安心です。
水抜きは毎年必要ですか?
はい。春や夏に水を使うために栓を開ければ、翌年の冬にはあらためて水抜きが必要になります。一度行えば終わりではなく、毎年の冬支度として繰り返す作業です。
水道を止めれば水抜きは不要ですか?
水道局への休止手続きで給水契約自体を止めても、配管の中に残った水は別途抜かない限り凍結・破裂のリスクは残ります。契約を止める場合も、水抜き栓の操作はあわせて行う必要があります。
空き家の水道は元から止めておくべきですか?
長期間使う予定がない場合は、水道局に休止の手続きを取ることも選択肢の一つです。ただし休止中も配管内の水は残るため、水抜きは別途必要になります。手続きの要否は水道局・自治体によって案内が異なる場合があるため、あわせて確認しておくと安心です。
不凍栓と止水栓の違いは何ですか?
止水栓は水の流れを止めるための栓で、閉めても配管内に水は残ります。不凍栓(水抜き栓)は閉めると配管内の水が地中側へ抜けていく構造になっており、凍結対策として使うのは不凍栓です。名前が似ていますが役割が異なります。

まとめ:冷え込む前の「水抜き」が、空き家の冬支度の第一歩

  • 空き家では「蛇口を出しっぱなしにする」「暖房で室温を保つ」といった日常の凍結対策が取れないため、配管の水を空にする「水抜き」がほぼ唯一の現実的な対策です。
  • 水抜き栓の操作は、全開・全閉のどちらかで使うのが基本。中途半端に閉めると水道料金がかかり続けるため注意が必要です。
  • 栓の場所が分からない・現地に行けない・設備の状態に不安がある場合は、無理せず業者に相談したほうが確実です。
  • 凍結・破裂に気づかないまま放置すると、床や天井まで傷む被害に発展することもあります。冷え込みが本格化する11月中を目安に、早めに済ませておくと安心です。

運営:生活サポート24(空き家の水抜き・凍結防止のほか、草刈り・伐採・庭じまいなど幅広く対応)

水抜きをしないまま冬を越すと、気づいた時には水漏れで床や天井まで傷んでいた、ということも考えられます。こんな方にご相談いただいています。
  • ✓ 実家が空き家になり、今年初めて冬を迎える
  • ✓ 何ヶ月も現地に行く予定がない
  • ✓ 水抜き栓の場所や使い方が分からない
  • ✓ 以前の冬に凍結・水漏れを経験した

自分でやるべきか、頼むべきか分からない、というご相談も珍しくありません。

📷 空き家の水抜き・凍結防止、まずはご相談ください

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