
「除雪機があるから雪かきは楽」——そう思っていたのに、ニュースで除雪機事故のニュースを見て「うちの使い方は大丈夫だろうか」と不安になった方もいるのではないでしょうか。除雪機は雪国の暮らしを支える道具ですが、毎年、指切断や巻き込みなどの重大事故が実際に起きています。
この記事では、経済産業省・消費者庁・NITE(製品評価技術基盤機構)が公表している除雪機事故の実態データをもとに、なぜ事故が起きるのか、そしてこれからも除雪機を使い続けてよいのかを判断する3つの質問を整理します。読み終える頃には、ご自身(またはご家族)の使い方が安全圏にあるかどうかが分かります。
運営:生活サポート24(雪かき・雪下ろし代行、365日対応)
まず結論:除雪機事故の8割は誤使用・不注意で防げる
- NITEに寄せられた歩行型除雪機の死亡・重傷事故は、2014〜2023年度の10年間で38件。そのうち約8割にあたる32件が「誤使用」「不注意」が原因とされています。
- 事故の多くは「安全装置(デッドマンクラッチ)を無効化していた」「エンジンをかけたまま雪づまりに手を入れた」など、使い方さえ守っていれば防げたケースです。
- 裏を返せば、除雪機そのものが危険というより、「慣れ」による油断が事故を生んでいるということ。この記事の後半にある3つの質問で、いま使い続けるべきか、都度の代行に切り替えるべきかを判断できます。
除雪機事故の実態|指切断・巻き込みの典型パターンと公的データ
除雪機による事故は、雪国では決して珍しい話ではありません。まずは公的機関が公表している数字を、感情的に煽るのではなく、事実として押さえておきましょう。
| データ項目 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 歩行型除雪機の死亡・重傷事故件数(2014〜2023年度) | 38件 | NITE |
| そのうち死亡事故 | 25件 | NITE |
| 誤使用・不注意が原因とされた件数 | 約8割(32件) | NITE |
| 直近3年間(2020〜2022年度)に発生した件数 | 21件 | 経済産業省 |
出典:独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)「除雪機の事故」/経済産業省「除雪機の死亡事故7割が誤使用・不注意」(2022年12月22日公表)/消費者庁「除雪機による死亡・重傷事故を防ごう」

公表されている典型的な事故パターンは、次のようなものです。
- 指切断・手指の負傷:投雪口(シュート)に詰まった雪をエンジンをかけたまま手で取ろうとし、回転する部品(オーガ)に手を巻き込まれる。
- 下敷き・巻き込み死亡事故:安全装置を無効化した状態で転倒し、機械が止まらずに下敷きになる、または機械に巻き込まれる。
- 一酸化炭素中毒:物置や車庫などの屋内・換気の悪い場所でエンジンをかけたままにし、中毒を起こす。
- 意図せぬ始動による事故:エンジンをかけたまま機械から離れた際に、子どもや第三者が接触する。
なぜ事故が防げないのか|安全装置の解除と、慣れによる油断
除雪機には本来、事故を防ぐための安全装置が備わっています。それでもなお事故が繰り返される背景には、共通した「NG行動」があることが公的機関の調査で分かっています。
| NG行動 | 実際に起きたこと |
|---|---|
| 安全装置(デッドマンクラッチ)の無効化 | 手を離すと自動で止まる安全装置を、洗濯ばさみやひもで固定して常時作動の状態にしていた。転倒した際に機械が止まらず、下敷きになった。 |
| エンジンをかけたまま雪づまりを取る | 投雪口に詰まった雪を、エンジンを止めずに手で取ろうとして、回転部分に指を巻き込まれた。 |
| エンジンをかけたまま機械から離れる | 一時的にその場を離れた際、オーガが回転したままの状態に子どもが接触した。 |
| 屋内・密閉空間での使用 | 物置などの換気が悪い場所でエンジンをかけたままにし、一酸化炭素中毒で死亡した。 |

出典:消費者庁「『除雪機の事故』を招く5つのNG行動〜安全機能の無効化は絶対やめて〜」(2024年11月26日公表)
これらに共通するのは、「今までも同じやり方で大丈夫だったから」という慣れです。除雪機は毎シーズン繰り返し使う道具だからこそ、操作に慣れるほど「安全装置が邪魔」「エンジンを止めるのが面倒」という判断が入り込みやすくなります。事故を起こした方の多くも、除雪機を初めて使う初心者ではなく、日常的に使い慣れていた方だったと報告されています。
実は、当社の代表の父も、この「惰性回転」が原因で怪我をした経験があります。雪づまりに気づいてエンジンは止めていましたが、オーガの回転が完全に止まりきる前に手を入れてしまいました。後から本人に理由を尋ねても、はっきりとは説明できませんでした。作業中はふとした瞬間に意識が逸れてしまうことがあり、「エンジンを止めたから大丈夫」という思い込みだけでは防ぎきれない事故が、実際に起こり得ます。
当社への雪かき・雪下ろしのご相談でも、「除雪機の調子が悪いまま使っている」「雪づまりの対応に自信がない」というお声をいただくことがあります。
除雪機を使い続けるべきか判断する3つの質問
「危ないから今すぐ手放すべき」と煽るつもりはありません。大切なのは、ご自身(またはご家族)の今の使い方が、事故につながりやすい条件に当てはまっていないかを確認することです。次の3つの質問で確認してみてください。
✅ 除雪機を使い続けてよいか、3つの質問で確認
それぞれの質問に、正直に答えてみてください。
- 質問1:雪づまりを取るとき、毎回きちんとエンジン(またはオーガの回転)を止めていますか?
- 質問2:安全装置(デッドマンクラッチ等)を固定したり、無効化したりしていませんか?
- 質問3:使用者は体力・判断力の面で、機械の操作と万一の転倒・とっさの対応に無理がない状態ですか?(高齢・持病・体力の衰えなどを含む)
▶ 1つでも「いいえ」「自信がない」がある → 使い続けるのは慎重に考えるべき状態です。安全装置の無効化はすぐにやめ、雪づまりは必ずエンジンを止めてから対応してください。それでも不安が残る、あるいは体力面で無理があるなら、除雪機を使わずに都度の代行を検討するのも現実的な選択です。代行に切り替えると、事故リスクだけでなく、除雪機の出し入れ・保管・シーズン前の整備といった手間からも解放されます。
▶ 3つすべて「はい」→ 基本的な使い方は守れています。それでも慣れによる油断はどんな人にも起こり得るため、シーズン前の安全点検・使用前の確認は毎回欠かさないようにしましょう。
「自分の使い方がどこに当てはまるか分からない」という相談も珍しくありません。
「使い続けるのは不安」と感じたら、まずは無理せずご相談を
除雪機や敷地の様子が分かる写真があると状況をつかみやすいですが、なくても大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。
除雪機を持たない・使いこなせない世帯の選択肢|「都度代行」という考え方
除雪機は決して「持っていれば安心」な道具ではありません。むしろ、使い慣れていない世帯や、体力面で無理がある世帯ほど、事故のリスクが上がるとも言えます。特に次のようなケースでは、除雪機を無理に使い続けるより、必要なときだけプロに任せる「都度代行」のほうが安全で合理的なことがあります。
- 高齢の家族が一人で除雪機を操作している(転倒時にとっさの対応が難しい)
- 除雪機のメンテナンス方法が分からず、不具合を抱えたまま使っている
- 雪づまりの対応など、正しい操作手順に自信がない
- そもそも使用頻度が少なく、毎年の点検・格納・整備が負担になっている
| 除雪機を使い続ける | 都度代行に切り替える | |
|---|---|---|
| 事故リスク | 誤使用・不注意による重大事故のリスクが残る | 自分で操作しないためゼロ |
| シーズン前点検・整備 | 必要(不具合を放置すると事故につながる) | 不要 |
| 保管場所 | 物置・車庫などのスペースが必要 | 不要 |
| 出し入れ・作業の手間 | 都度、自分で出し入れして作業 | 依頼するだけ |
生活サポート24では、雪かき・雪下ろしの代行に加えて、屋根の雪下ろしや排雪作業、車の救出・スタックからの緊急出動にも対応しています。出張・お見積りは無料、キャンセルも無料、365日対応。立会いは不要で、作業前後の様子を写真でご報告します(現地の状況により、正式な金額は現地確認のうえ確定します)。費用の考え方は雪かき・雪下ろし代行の費用相場で詳しく解説しています。
実際、生活サポート24には1シーズンだけで除雪に関するご相談を100件近くいただいております。除雪機のメンテナンスや操作について不安を感じてご相談される方も少なくありません。
よくある質問(FAQ)
- 除雪機の事故はどのくらい起きていますか?
- NITE(製品評価技術基盤機構)によると、2014〜2023年度の10年間で歩行型除雪機による死亡・重傷事故は38件報告されており、うち25件が死亡事故です。約8割にあたる32件は誤使用や不注意が原因とされています。
- 除雪機の事故で多いのはどんなパターンですか?
- 投雪口に詰まった雪を、エンジンを止めずに手で取ろうとして指を巻き込まれるケース、安全装置(デッドマンクラッチ)を無効化した状態で転倒し機械が止まらず下敷きになるケース、屋内でエンジンをかけたままにして一酸化炭素中毒になるケースなどが典型例として報告されています。
- デッドマンクラッチとは何ですか?
- 手を離すと自動的に除雪機(オーガやタイヤの回転)が止まる安全装置です。転倒したときや機械から手が離れたときに機械を止める役割があり、器具で固定したりひもで縛ったりして無効化すると、この安全機能が働かなくなり重大事故につながります。
- 雪づまりを取るときに気をつけることはありますか?
- 投雪口(シュート)に詰まった雪を取り除くときは、必ずエンジンを止め、オーガの回転が完全に止まったことを確認してから作業してください。専用の雪落とし棒を使うことも推奨されています。エンジンをかけたまま手で取り除こうとする行為は、指切断など重大事故の主な原因の一つです。
- 除雪機は屋内で使ってもいいですか?
- 物置や車庫など換気の悪い屋内でエンジンをかけたままにすると、排気ガスによる一酸化炭素中毒の危険があります。実際に死亡事故も報告されているため、エンジンは屋外の風通しの良い場所でのみ使用し、屋内で長時間かけたままにすることは避けてください。
- 高齢の家族が除雪機を使っています。何に気をつければいいですか?
- 年齢や体力によっては、転倒時にとっさに機械から手を離せない、体勢を立て直せないといったリスクが高まります。安全装置を無効化していないか、無理な体勢で作業していないかを一度確認し、不安があれば使用を控えて都度の代行を検討することも選択肢です。
- 除雪機を使い続けるか、手放すかはどう判断すればいいですか?
- ①雪づまり対応時に毎回エンジンを止めているか、②安全装置を無効化していないか、③使用者の体力・判断力に無理がないか、の3点を確認してください。いずれかに不安がある場合は、無理に使い続けず、必要なときだけプロに依頼する都度代行への切り替えも現実的な選択です。
- 除雪機を使わない場合、雪かきはどうすればいいですか?
- 手作業での雪かき・雪下ろしを業者に依頼する方法があります。積雪量や作業内容によって時間・費用は変動するため、まずは写真を送ってご相談いただくのがおすすめです。費用の考え方は雪かき・雪下ろし代行の費用相場の記事で詳しく解説しています。
- 除雪機の点検はどのくらいの頻度でするべきですか?
- シーズン前の始動確認・安全装置の作動確認に加え、シーズン中も定期的な点検が推奨されています。点検方法が分からない、不具合を抱えたまま使っているという場合は、無理に自己判断で使い続けず、販売店やメーカーへの相談、または都度代行への切り替えも検討してください。
- 除雪機の事故はどこの機関が注意喚起していますか?
- 経済産業省、消費者庁、NITE(製品評価技術基盤機構)が毎年のように注意喚起を行っています。特に消費者庁は「除雪機の事故を招く5つのNG行動」として、安全装置の無効化・雪づまり時の手入れ・エンジンをかけたまま離れる・屋内使用などの危険行動を具体的に公表しています。
まとめ:機械のメンテ・雪詰まり対応に不安がある方へ
- 除雪機事故は毎年発生しており、8割は誤使用・不注意が原因。安全装置の無効化・雪づまり時にエンジンを止めない、が典型パターン。
- 「慣れ」が油断を生む。使い慣れているほど、かえって基本のルールが崩れやすい。
- ①エンジンを止めているか ②安全装置を無効化していないか ③体力・判断力に無理がないか、3つの質問で使い続けるべきか判断できる。
- 不安があるなら無理に使い続けず、都度の代行という選択肢も現実的。
除雪機の扱いに不安がある方は、まずはご相談ください
敷地の状況が分かる写真があると状況をつかみやすいですが、なくても大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。
・独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)「除雪機の死亡事故」7割が誤使用・不注意
・経済産業省「除雪機の死亡事故7割が誤使用・不注意」(2022年12月22日公表)
・消費者庁「『除雪機の事故』を招く5つのNG行動〜安全機能の無効化は絶対やめて〜」(2024年11月26日公表)
・消費者庁「除雪機による死亡・重傷事故を防ごう!-正しく、安全に使用してください-」
※件数・統計は各機関の公表時点の情報です。最新の内容は公的機関の発表を必ずご確認ください。

