
「雪かきぐらいで大げさな」と思っていませんか。実は、雪かき中に心筋梗塞や脳卒中で倒れる人は毎年発生しており、その多くが高血圧や心疾患などの持病を持つ高齢の方です。
この記事では、雪かきでなぜ心臓や血管への負担が急に高まるのかという体の仕組みと、無理せず業者に任せるべきかを判断するための具体的なサインを紹介します。ご自身の体調に不安がある方、離れて暮らす親御さんの雪かきが心配な方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
まず結論:寒暖差と急な運動負荷が重なると心血管リスクが上がる
- 雪かきは見た目以上に強度の高い運動。腕を使う動作と息を止めがちな動きが重なり、血圧・心拍数が急上昇しやすい
- そこに「暖かい室内から寒い屋外へ」という寒暖差(ヒートショック)が加わることで、心臓・血管への負担がさらに増す
- 高血圧・心疾患などの持病がある方、65歳以上の方は特にリスクが高いとされている
- 「動けている」「まだ大丈夫」と思っている段階でも無理をしないことが大切。判断に迷ったら、作業自体を業者に任せる選択肢がある
雪かき中に心筋梗塞・脳卒中が増える仕組み(寒冷刺激と血圧変動)
「雪かきなんて日常的な作業なのに、なぜ心臓や血管の病気につながるのか」と疑問に思う方は多いと思います。実は雪かきには、心臓や血管に負担をかけやすい要素がいくつも重なっています。

① 気温差による血管の収縮(ヒートショック)
暖かい室内から急に寒い屋外に出ると、体温を逃がさないように血管がぎゅっと収縮します。血管が収縮すると血圧は上がりやすくなり、特に冬の朝は普段から血圧が変動しやすい時間帯と重なります。もともと血圧が高めの方はもちろん、普段は安定している方でも、急激な寒暖差によって血圧が跳ね上がることがあると指摘されています。
② 雪かき自体が想像以上に強い運動である
雪かきの運動強度は、一般的な目安として早歩きとジョギングの中間程度にあたるといわれ、決して軽い運動ではありません。シャベルで雪を持ち上げる、放り投げるといった腕を使う動作が中心になるため、下半身中心の運動に比べて血圧が上がりやすい特徴があります。当社への相談でも、「雪かきを始めてすぐ息が上がった」というお声を伺うことがあり、体感としても軽い作業ではないと感じます。
③ 力を入れる瞬間に息を止めてしまう
重い雪を持ち上げようとするとき、無意識に息を止めて力む動作(いきみ)をしがちです。この「息を止めて力む」動きは血圧と心拍数を急上昇させやすく、心臓への負担を一気に高める要因になるといわれています。
寒冷刺激(血管収縮)× 運動負荷(血圧上昇)× いきみ動作(急激な血圧変動)――この3つが同時に起きるのが雪かいの特徴です。これらが重なることで、普段は自覚症状のない方でも心臓・血管に急な負担がかかりやすくなると考えられています。
除雪中の死亡事故データ|高齢者が大半を占める理由
総務省消防庁の集計では、除雪作業中の死亡事故のうち高齢者が占める割合が毎年繰り返し高い水準で報告されています。日本経済新聞の報道(2022年4月・令和3年度冬期集計)によると、この冬に除雪作業中の事故で亡くなった方は74人にのぼり、その9割超が65歳以上でした。総務省消防庁「令和6年版消防白書」でも、令和6年度冬期(2025年2月5日時点)の除雪中の死者34人のうち約9割が65歳以上、原因の多くは屋根からの転落・落雪で全体の約8割を占めると報告されています。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 除雪作業中の死者数(令和3年度冬期・2022年4月報道時点) | 74人(うち9割超が65歳以上) |
| 除雪作業中の死者数(令和6年度冬期・2025年2月5日時点) | 34人(うち約9割が65歳以上) |
| 主な原因(屋根の雪下ろし等) | 屋根や梯子からの転落、屋根からの落雪が全体の約8割を占める |
| 体調面の要因 | 国土交通省「雪下ろし安全10箇条」は、除雪は血圧・心拍数が上がる重労働であり心臓病がある方は特にリスクが高いと注意喚起している |
これらのデータで特に強調されているのは「高齢者」「一人での作業」という共通点です。転落・落雪といった物理的な事故に加えて、国立循環器病研究センターは「冬場は心筋梗塞による心停止が増加する」と発表しており、寒い時期の身体的な負荷が心血管イベントのリスクを高めることが指摘されています。持病がある方が一人で長時間の雪かきをする状況は、体調面から見ても避けたほうがよい組み合わせといえます。
この記事は「体調・持病の観点」から無理をすべきでないサインを扱っています。屋根からの転落・落雪など物理的な危険については、別記事「屋根の雪下ろしはなぜ危険?」で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
✅ 30秒セルフチェック:無理せず業者に任せるべきサイン
ご自身、またはご家族に当てはまる項目がないか確認してください。
- 高血圧・心疾患・糖尿病・脳卒中の既往など、持病で通院している
- 65歳以上で、これまで雪かきを長時間続けて行ったことがない、または最近体力の衰えを感じる
- 朝、起きてすぐ・寒い屋外に出てすぐに動悸や息切れ、めまいを感じたことがある
- 普段から「今日は血圧が高め」「体調がすぐれない」と感じる日がある
- 一人暮らし、または雪かきの間まわりに誰もいない状況で作業する予定がある
- 屋根の雪下ろしなど、雪かきよりさらに負荷の高い作業を控えている
▶ 1つでも当てはまる → その日の雪かきは無理をせず、業者に任せることを検討してください。特に持病がある方・高齢の方が一人で作業する状況は、体調急変に気づいてもらえないリスクが重なります。
▶ 1つも当てはまらない場合でも → 後述する休憩の目安を守り、無理のない範囲で行ってください。それでも「今年は不安がある」という場合は、無理をする前に一度相談していただいて構いません。

チェックが当てはまった方・ご家族が心配な方へ
無理をする前に、状況に合わせた進め方をご提案します。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。ご相談・お見積りは無料です。
休憩・作業時間の目安と、それでも不安な場合の選択肢
どうしても自分で雪かきをする必要がある場合は、体への負担をできるだけ抑える工夫が大切です。以下のような点を意識するだけでも、リスクは下げられることがあります。
無理をしないための基本的な工夫
- こまめに休憩を取る:長時間ぶっ通しで作業せず、短い時間で区切って休む
- 準備運動・防寒を徹底する:いきなり屋外に出ず、軽く体を動かしてから始める。厚着で急な寒暖差を和らげる
- 一気に持ち上げようとしない:雪を少量ずつ運ぶ、押して進める道具を使うなど、瞬間的に力む動作を減らす
- 一人で作業しない:家族や近所の人に声をかけておく、様子を見てもらえる状態にしておく
- 体調がすぐれない日は中止する:「今日はいつもと違う」と感じたら、その日は無理をしない判断も大切
| 作業時間の目安 | 休憩・行動の目安 |
|---|---|
| 作業前 | 屋内で軽く体を動かし、厚着をしてから外に出る(急な寒暖差を避ける) |
| 15〜20分作業したら | 一度手を止めて休憩し、水分を取る。息が上がっていないか確認する |
| 動悸・息切れ・めまいを感じたら | その場ですぐ中断して休む。改善しなければ無理に再開しない |
| 持病がある方・65歳以上の方 | 一人での長時間作業は避け、上記のセルフチェックに1つでも当てはまれば業者に任せることを検討する |
※明確な「安全な作業時間」の医学的基準は公表されていないため、上記は国土交通省「雪下ろし安全10箇条」等の一般的な注意喚起をもとにした目安です。持病がある方は必ずかかりつけ医にもご相談ください。
とはいえ、こうした工夫をしても「持病があるので不安が消えない」「離れて暮らす親に雪かきをさせるのはやはり心配」というケースは少なくありません。そうした場合は、無理に自分やご家族だけで対応しようとせず、作業自体を業者に任せるという選択肢を検討していただいて構いません。実際にご依頼をいただく際も、「途中まで自分でやっていたが休憩のタイミングで不安になった」というお声を聞くことがあり、作業の途中からの依頼でも問題ありません。
費用については「雪かき・雪下ろし代行の費用相場はいくら?」の記事で、明朗会計の考え方を詳しく解説しています。信頼できる業者の見分け方は「雪下ろし・雪かき業者の選び方」もあわせてご確認ください。
よくある質問(FAQ)
- 雪かき中に心筋梗塞や脳卒中が増えるのはなぜですか?
- 寒い屋外に出ることによる血管の収縮(血圧上昇)と、雪かき自体の運動負荷、そして重い雪を持ち上げる際に息を止めて力む動作が重なることで、心臓や血管への負担が急激に高まりやすいためといわれています。特に朝の時間帯は血圧が変動しやすく、注意が必要とされています。
- 雪かきで倒れるのはどんな人が多いですか?
- 総務省消防庁の集計・報道(令和3年度冬期は死者74人のうち9割超、令和6年版消防白書では死者34人のうち約9割が65歳以上)では、除雪作業中の死亡事故のうち高齢者が大半を占めるとされています。高血圧や心疾患などの持病がある方、一人で作業していた方に事故が集中している傾向も指摘されています。
- 持病があっても雪かきをしても大丈夫ですか?
- 持病の種類や状態によって個人差があるため、まずはかかりつけ医に相談いただくのが基本です。そのうえで、無理な長時間作業や一人での作業を避け、こまめな休憩を取るなどの工夫が大切です。不安が強い場合は、作業自体を業者に任せることも一つの選択肢です。
- 雪かきをどれくらい続けると危険ですか?
- 明確な「安全な時間」の基準はありませんが、長時間の連続作業や、休憩を取らずに一気に片付けようとする作業の仕方はリスクが高まるとされています。少しずつ区切って休憩を挟みながら進めることが望ましいとされています。
- 動悸や息切れを感じたらどうすればいいですか?
- その場ですぐに作業を中断し、無理をせず休んでください。胸の痛み・しびれ・ろれつが回らない等の症状があれば様子を見ずに119番へ通報するか、すぐに医療機関を受診してください。
- 離れて暮らす親に雪かきをさせるのが心配です。何ができますか?
- まずはこの記事のセルフチェックを親御さんと一緒に確認し、当てはまる項目があれば無理をしないよう伝えてください。現地に行けない場合でも、写真をLINEで送ってもらう形で状況を確認し、代わりに業者へ依頼することもできます。
- 雪かきの前にできる予防はありますか?
- 作業前の軽い準備運動や、厚着による寒暖差対策、水分補給などは負担を減らす工夫として有効とされています。ただし、これらは負担を「減らす」工夫であり、リスクを完全になくすものではない点にご注意ください。
- 屋根の雪下ろしと雪かきでは危険度は違いますか?
- 屋根の雪下ろしは転落など雪かきとは別の物理的な危険が加わるため、リスクの種類が異なります。詳しくは「屋根の雪下ろしはなぜ危険?」の記事をご確認ください。
- 朝の雪かきは避けたほうがいいですか?
- 朝は寝起きで血圧が変動しやすい時間帯とされているため、可能であれば体が気温に慣れてから、日中の少し暖かい時間帯に行うといった工夫も一つの考え方です。ただし積雪の状況によっては朝の対応が必要な場合もあるため、その際は特に無理をしない意識が大切です。
- 業者に頼む場合、費用はどれくらいかかりますか?
- 作業時間分の明朗会計で、目安は1時間4,000円〜です。人数や作業内容、積雪量によって変動します。詳しい料金の考え方は「雪かき・雪下ろし代行の費用相場はいくら?」の記事で解説しています。
- 立会いなしで作業を依頼できますか?
- 立会いは不要で、作業の前後は写真でご報告しています。ただし、正式な金額や作業内容の最終確認は、現地・当日の状況によって変わる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
- 急な体調不良で雪かきを頼みたい場合、すぐに対応できますか?
- 体調に不安を感じたら、その日の作業をお引き受けすることも可能です。まずはお電話・LINEでご相談ください(緊急の体調変化がある場合は先に119番・医療機関を優先してください)。
まとめ:持病がある方・ご家族が心配な方は無理をしない
- 雪かきは寒冷刺激・運動負荷・いきみ動作が重なりやすく、心臓や血管への負担が急に高まることがある
- 除雪中の死亡事故は高齢者が大半を占め、一人での作業に事故が集中する傾向がある
- 持病がある方・65歳以上の方は、セルフチェックに1つでも当てはまれば無理をしない判断を優先する
- 休憩・防寒・一人にならない工夫をしても不安が残る場合は、作業自体を業者に任せる選択肢がある

